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書籍案内(「警備保障の全て」第3版)
はしがき赤城山 壺中庵にて 深澤賢治 平成14年8月31日

 昭和61年10月30日に、『警備保障のすべて』をたくさんの方々の御協力のお陰で世に出すことができた。ありがたいことに、その後何回も増刷を重ね、現在に至っている。
 15年前と現在の平成15年3月では業界事情もかなり変わった。たとえば、警備業界の市場規模をあげてみる。
 当時はデータが公表されていないため、東洋経済新報社やダイヤモンド社の売上ランク表、ビルメン産業年鑑の警備所得ランキング、警察庁がまとめた全国の警備員数を基礎データとして、5000億円から6000億円と推測したが、現在は2兆5693億円となり、今では毎年警察庁より業界全体の市場規模が発表されるようになっている。
 警備業界は、平成13年中の警備業者数が9452を数え、警備員数は44万人を超すに至っている。
 この警備員数は警察職員26万人を15万人上回っており、完全に警備業が社会に定着したことをあらわしているといえよう。
 さらに女子警備員も、男女同一賃金という条件が相まってか、急激に増え続け、3万677人を超していることは特筆に値する。
 これだけ発展拡大した警備業界は、今後どうなるのだろうか?もう成長は終わってしまうのだろうか?警備業をこのまま続けて良いものだろうか?等々の切実な問いかけが、最近増え続けている。
 私はこのような質問に対し、現在のデフレスパイラルの中で、苦しんでいる警備業者は数多いが、警備業の未来は明るいと答えることにしている。なぜなら、マクロの視点で見れば警備業が発展拡大する社会環境が整い過ぎるくらい整ってきていると思うからである。
 確かに淘汰の時代に入っている事は間違いない。
 しかし、警備業だけが大変な思いをしているのでない事は、誰でもが承知している事である。
 9400余社と言われる警備業者のうち、約1000社が実態の無い、いわゆる幽霊会社と目されているが、これも平成14年度中に警備業法の一部改正が見込まれているので、その実施により、正確な数字が徐々に出る事となろう。業界の実態を正しくとらえるには、直面している問題を多面的・本質的・歴史的に理解する事が必要だと思う。
 第二版のデータが古くなっていることに責任を感じてはいたが、なかなか手がつけられずに今回まで過ぎてしまった。第三版は思ったより、大変な作業で実に多くの方々の手をわずらわせた。前回と同じような資料を集めようと努力したが、集められないものもあり、期待に反する記述をせざるを得なかった部分は、お詫びしておきたい。
 各種資料の提供について、警備保障新聞社(浅野正信社主)・(社)全国警備業協会(片岡直公会長)はじめ監督官庁・(社)北海道警備業協会、弁護士丸山幸男氏、葛g田マネジメント代表取締役社長吉田勝美氏、社会保険労務士大島秀行氏他関係各位より、多大な御配慮・御尽力を頂戴した事に、敬意を表しつつ心より御礼申し上げる。
 本書をまとめるに際し、株式会社・シムックスの高島禮次顧問、星野義顧問、常務取締役社長室長の石井久雄氏には、特段の御協力と御助言を戴いた事に感謝申し上げたい。又、(社)全国警備業協会・(社)群馬県警備業協会より講師を委嘱されている、施設警備部係長の久保田智之氏を中心とした、係長小島成介氏、係長茂木良尚氏の作業チーム、並びに管理センター総務部長の柿沼幹男氏、社長室の権田有美さん、佐藤昌子さん、安全教育巡察隊の主席監察官舘野政道氏には、大変御骨折り戴いた。記して謝意を表したい。
 又、(株)警備科学研究所の深澤玲子社長には、いつもの事ながら御苦労戴いた事に深謝している。
 最後に、本書刊行にあたり、東洋経済新報社の大貫英範氏にはお世話になった。感謝申し上げたい。